半年前の「銀閣寺特別拝観での「立て花」」に思いをはせて

空調の冷たい風に噴出している汗が引っ込みつつある。

そうだ テレビで銀閣寺の特集を見た時に「立て花」を見たのだ。

足利義政が作り上げた日本初めての生け花テレビでも凛として立ち上がっていた。

 

現代に続く美意識でした。

 

でも違和感があったのだ。

広口の花瓶に活けられた草花はすべてがすくっとまっすぐなのだ。

 

数年後、川村さんが20人集まれば銀閣寺に行って「立て花」がみられるよとのこと。有難かった。なんでも疑問があるとわかりたい僕にもチャンスがやってきた。

ひろい座敷だ。場が引き締まり袴姿の背筋のピンと張った20代後半の女性が草花を持ち現れた。

花瓶に向かい正座すると1メートルもあるススキの葉をとり広口瓶に差し入れたなんとまっすぐ立っていくのだ。活け終って「なんで立っているの」と思わず誰かが質問。広口瓶の口に合う切りそろえた藁束を見せて

 

「ここに刺しているのです。」

 

「野に咲く草花がまっすぐに成長する姿をそのまま活けるためにこの道具をつくられたとのこと。」

 

中国の文化と違う東山文化の始まりが義政だと聞いてはいましたが野辺の草花をより美しくする道具を義政が見つけていたことに感動しました。

 

くだらない疑問からヒョウタンから駒でした。

 

 

立て花は「慈照寺、銀閣」で華務・花方をつとめられる師、佐野珠寶先生に活けていただきました。

 

芥川立夫