裏 国立博物館に「和」があった

 国立博物館に「和」があった。

 


無機質なコンクリートの建物を曲がると突然「和」の空間があらわれた。国立博物館に隠された和風の庭園があった。その中に5つの由緒ある建物が配されている。
会場になった応挙館(三井物産を作った益田孝さんが愛知から取り寄せた)は「真」に分類されるつくりで円山応挙の画が床の間といわずふすま、障子にいたるまで配されている。残念ながら大日本印刷が作った写しですが建物と一体化して静謐な感じ。


また池と芝を配した陽だまりにある檜皮葺の小屋といった風情の転合庵(茶室)は家光の茶道指南である大名茶人の小堀遠州作でした。それらが何度かの移築を経て庭のポイントになっている。


船天井のお部屋で池をみながら鶴岡さん白川さん達の馥郁(ふくいく)な香りの薄茶を一服いただき古田織部翁もここで遊んだのかなと感激したのはいささかスノッブすぎたか。
女性陣のお箏も踊りも「華」に満ちて続き、いつしか中村亀鶴丈(四代目中村富十郎さんのお孫さん)の踊りとなりました。


西村嬢のご紹介を障子越しに「いいぞ西村」と小声で元気づける亀鶴丈。座が静まるのをしばし待ち座敷に入るともう座は一点に集中しておりました。雄弁会の先輩がよくいっていた手法も役者は使うのかな。

踊りは「七福神」。大変におめでたい題です。すくっと立ち視線は正面をとらえしかも自分のふりも含めて客・座敷のすべてを天井の後方に別の目があるがごとく鳥瞰的につかんでよい塩梅(あんばい)に次のふりを出していく・・・

 

アレンジをしていただいた方当日いろいろとお世話いいただい方ありがとうございました。